腸内細菌で免疫力アップ

腸内細菌で免疫力アップ

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東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎 さん

 今回ご登場いただいたのは、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生です。ご自身でサナダ虫をお腹で飼ったというユニークな方ですが、腸内細菌の権威でもあります。世界中が新型コロナに怯える今日、感染対策だけでなく免疫力をつけることも大事だと思い、面談をお願いしました。そして、緊急事態宣言下の2020年4月21日火曜日、東京曙橋の「3密な」藤田先生の研究室でインタビューが実現しました。驚いたことに今年80歳の藤田先生はマスクもされていませんでした。


<インタビュー全文>
藤田: 東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎 さん
多根: インタビューア/株式会社 三城HD 代表取締役会長 多根幹雄
森: インタビューア/クローバー・アセットマネジメント 森京子


多根
本日は、お時間をいただきありがとうございます。こんな時だからこそお会いしたいと思いました。よろしくお願いいたします。

藤田
わざわざ会長に来ていただくとは。

多根
3年前に父が亡くなり、後を引き継いて会長になりました。
先生は三重県のご出身ですね。三城の店舗は少ないところなのですが、津に親戚がいて、よく鈴鹿サーキットなど行っていました。

藤田
三重県宇治市の出身で、宇治山田高校を卒業して津でも開業しておりました。


泥を食べましょう


多根
色々お聞きしたいのですが、先生の本を読ませていただいて、最初に思い出したのが、チワワを二匹飼っていたとき、若い犬がよくお腹を壊していて、そのとき元気な犬の糞を食べていたことです。私は何も知らなかったので、気が狂ったのかと思って「汚いからやめなさい」よく怒っていました。

でも、先生の本を読んで、あれは私が間違っていたことがわかりました。自然は間違える訳はなくて、犬は勉強している訳でもないのに、本能で体調が悪いから元気な犬の糞を一生懸命食べていたんですよね。元気な犬も体調が悪い時は時々草を食べていましたね。あれも本能的に土を食べていたんだと思います。

藤田
今、アメリカでベストセラーになっているのが、「EAT DIRT(泥を食べましょう)」です。私が訳したもので、日本ではそのままの題名では売れないということで「除菌をやめなさい」に変わってしまったんですが、日本ではあまり売れていません。日本人は、「泥を食べろ」とか、「ウンチを食べろ」とか言うと「何言ってるんだ」と思われる。

多根
逆にアメリカの方が受け入れているんですね。

藤田
そうですね。これは、泥そのものを食べなさいと言っているのではなく、野菜を泥付きのまま買ってきて台所で泥を払って料理をしてくださいということなんです。払うということで、空気中に土壌菌を舞わせるということなんです。土壌菌が大事だということなんです。
日本は、非常に清潔な国になっています。「バイキンが悪い」と。コロナ騒ぎで更に加速されましたね。菌と一緒にいないと免疫はつかない。「除菌をしなさい」と言ってきたのでどんどん免疫力が弱くなってきた。

例えば、花粉症は1963年に日光市で日本の第一例が見つかりました。でも、日光のスギ花粉はずっと前から飛んでたんですね。それから、ワッと増えた。この頃アメリカではブタクサ症というのがあったのですが日本はなかった。当時の論文をみると、日本国民はアレルギーにならない珍しい民族だと書いてあるんです。ところが、世界でもっともアレルギー患者が多い国になってしまった。うつ病も戦前には無かったのですが、2000年ぐらいから一気に増えていった。この原因は腸内細菌が非常に減ったことにあります。

食物繊維の摂取量も3分の1まで減っています。食物繊維は善玉菌の餌ですからね。餌が減るから腸内細菌が減って、免疫力が落ちて花粉症が増えてきたということなんですね。先進国はみんなそうなんです。


回虫や腸内細菌がアレルギーを防ぐ


藤田
私は最初、整形外科医だったんですが、手術が下手でやめなきゃいけないなと思っていた。整形外科は非常に難しい科なんです。胃がんの手術なんかは切るだけだから簡単なので、外科になったら良かったんですが、柔道部にいたから骨折や骨接ぎは上手かったので、整形外科医は簡単だと思ってなったんですが、難しいんですよ。

これは、私だけじゃなく、整形外科に入った人はみんなそうなんです。山中教授も私より手術が下手だったんです。作家の渡辺淳一さんもそうなんです。みんな整形外科医を目指していてやめたんです。

多根
あまりにも手術が難しすぎて、辞める方が多いんですね。

藤田
私もね、もうダメかなと思った時に、トイレで熱帯病の調査の団長をされていた先生にあって「お前柔道部だろ。柔道部から熱帯病調査の荷物持ちを2人探してくれ」と言われた。トイレで言われたものですから、私はすっかり忘れておりまして、そのうち電話がかかってきて「荷物持ち探したか?」と言われて、「忘れていました」と言ったら「お前が責任とって行け」ということで、整形外科をやっていた二人が、荷物持ちで行きました。

多根
先生は、体格がよくて頑丈だから。

藤田
そうですね。はじめに奄美大島に行きましてね。陰嚢や足が象の足のように腫れ上がるフィラリア病を見ました。人のフィラリア病は、リンパ節に虫が寄生してリンパが流れるけど、戻らないのでリンパが溜まって太くなってしまう病気。蚊がうつす伝染病なんです。そうなった人は、山奥に送られていた。すごく太い足になっていたんです。当時、住民の10人に1人がかかっていました。

多根
そんなにですか。当時は何かわからないから、呪われたとか思って隔離されていたんですかね。

藤田
そうです。それとうつるから。それで、なんとかしなきゃいけないと思って、私は熱帯病調査に移った。もう一人行った人は、開成中学、高校を卒業した優秀な人で、器用だったので騙されずに整形外科医になりました。この病気は、江戸時代にもあって、葛飾北斎が自分の陰嚢を木工でかついでいる人の絵を描いています。

これは、1912年には、日本全土にあったのですが、私が医者になったときは、鹿児島県の感染者が人口の2%から3%で、なんとかしなきゃいけないと取り組んで、1978年に我々グループが日本からなくしました。そしたら、クビ(お役御免)になって、大部分の人は内科や整形外科に戻っていったが、私は不器用だから戻れなくて熱帯病調査を続けた。私が最初に給料をもらったのが、三井物産の木材部なんです。インドネシアのカリマンタン島に6ヵ月いました。

<「アレルギーと腸内細菌」藤田先生著より>
1960年代の日本は、東南アジアとのラワン材貿易がさかんで、商社や企業がなだれをうって現地に入っていました。三井物産や三菱商事、住友林業、ヤマハ楽器などの大手企業も、インドネシアのカリマンタン島のジャングルにこぞって入り込みました。そこでは、マラリアや腸チフス、アメーバー赤痢などの熱帯病が日本人を襲いました。これらの病気に対する知識が日本の一般の医師にはなく、多くの駐在員がなくなりました。三井物産の支店長もヤマハ楽器の部長も熱帯病で命を落としています。「誰か熱帯病のわかる医者を現地に欲しい」。三井物産、三菱商事、住友林業の現地担当者からの派遣依頼が、私が当時所属していた東京大学の伝染病研究所にきました。その白羽の矢が立ったのが、若き日の私でした。


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 1960年代のカリマンタン島 左:川で遊ぶ子どもたち、右:診療する様子


藤田
これが、私のカリマンタン島の研究室です。これが川でトイレがこれ。ここでウンチをしてそのまま川に流す。それを魚が食べて、その魚を釣って毎晩食べていました。ここで子どもたちが遊んでるんですよ。「こんな汚いところで遊ぶと病気になるよ」と言ってたんです。

その頃、日本ではだんだんアレルギーが増え始めたんですが、私はここで20年も30年も同じ場所で調査をしましたが、全然アレルギーがなかった。ここの人たちのお腹の中には回虫の卵がいっぱいいて、回虫にかかって、色々なバイキンにかかっているとアレルギーがないと。それで、なぜアレルギーがないのかという研究を始めました。
私は、朝日新聞から頼まれて「清潔は病気だ」という題で連載をしたんです。

多根
これは何年ぐらいですか。

藤田
1999年ですね。当時の朝日新聞はすごいと思うんですよ。世に出ていない私に一年間書かせてくれたんですから。でもこれを書いたら大変でした。私が講義をしているところに誰か知らない人が乗り込んできて「お前みたいな変な人間が、医学生に講義するのはまずい。清潔は病気だと言っているお前のほうが病気だ」って言われました。

多根
多分当時より、今の方がもっと清潔病になっていますよね。異常なくらい。
私もびっくりしたことがあります。餅つきをしてみなさんでいちご大福をつくって子どもたちと楽しんでいたんです。するとやっている最中にお母さんが「ちょっと待ちなさい」と言って、アルコール消毒を子どもの手にふりかけたんです。自分で食べる分ですよ。もちろん、手洗いもしっかりしていました。アルコールの方がよっぽど怖いと思いました。あと山になっている野イチゴを子どもに「食べてみなさい」というと、お母さんが飛んできて「待ちなさい。道端に落ちているものは食べちゃいけません」と言うんです。昔、子どもの時、普通に食べていたのに。落ちていたのではなく、なっている実なのに、今のお母さんはやりすぎなんじゃないかと思いました。

藤田
おにぎりを素手で握るのが美味しいんだということを書いたら大変でしたよ。バイキンが入ったらどうするのかと。でも免疫の70%は腸内細菌が作るんです。あと30%は気持ちの問題です。腸内細菌っていうのも菌の一種だから。菌が大事だよと言ったって解らないんですよね。おにぎりは手で握るのが美味しいと言ったら、めちゃくちゃ叩かれました。

多根
最近みなさん手袋をして作りますよね。ラップだったり。

藤田
でも本当の味は、お寿司でも寿司職人が握ってくれるから美味しんですよね。仰る通り清潔思考にますます動いちゃって。

多根
かなり、エスカレートしましたよね。今回の件で、余計にまた徹底されるのかなと思って、怖い面もあるんですけど。 

藤田
私もコロナの特集でいっぱい書いたんですけど、マスコミは読んでくれませんよ。「あまり手洗いはしなくて良い」と言ってたものですからね。回虫なんかは、どういう成分がアレルギーを防いでいるかがはっきりした。サイエンスという最高の雑誌に載ったんですけどね、全く日本の医者は相手にしなかったですね。

それで私は「笑う回虫」という本を書いて、一般のヒトに分かってもらおうと思ったけどそれでも分かってくれない。ますます酷い攻撃を受けた。それでわざわざ日光に行ってスギ花粉をいっぱい採ってきて、それを吸い込んで花粉症になって、サナダ虫を自分の体でかったんです。これが、「キヨミちゃん」です。

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藤田先生のお腹の中にいたサナダ虫


多根
何mぐらいあるんですか。

藤田
これは、大きい時は20mぐらいありました。これは、患者さんがかったので、10何メーターですね。これは、5.8m。

多根
これは、何を飲んでらっしゃるのですか。

藤田
この幼虫なんです。これは、一日に卵を20万個産むんです。それが、水洗トイレでしている限りはそれが全部流れちゃうんです。川でしないといけないんです。川でウンチをするとこの幼虫が孵化する。幼虫とはこんなものです。これが川の中を泳いでいてミジンコの中に入るんです。ミジンコの中で感染幼虫ができるんです。そのミジンコを鮭が食べて、鮭の中にいるこれを食べるとやっと感染するんです。今、日本は川でウンチをすることは禁止されていますから、絶滅したんです。

今残っているのは、北方四島に少し感染源があるんですよ。私の友達が北方四島の鮭にはいるよということで、知床半島の斜里(しゃり)町まで行って、北方四島から来る鮭を待っていたんです。で、あったもんで喜んで飲んで、名前をつけたんですよ。「ほまれちゃん」ってつけたんです。長旅で、これはいつきませんでした。

最初は「キヨミちゃん」で、それから「さとみちゃん」とか色々。10何匹。サナダ虫の寿命は2年半なんです。自然に出ちゃうんです。出ると淋しいなと思って、探して飲んでいたんですが、今はもう絶滅していませんけどね。これが、「キヨミちゃん」です。サナダ虫というのは、真田幸村が作った真田紐からきています。これは、その帯です。信州上田村にあるんですね。ちょうどこれが似ているんですね。

多根
なんだか似ているなとは思ったんですが、ここから来ているんですね。

藤田
自分で飲み込んで、花粉症を治して、これでもかというところを見せたんですが、それでもなかなか認められなかった。でも、最近、あんまり清潔にしているとアレルギーが出てくるということが、アメリカを中心に出てきたんですね。

多根
ようやくね。

藤田:だから、今は衛生仮説を言いますが、あんまり衛生に気を使っているとアレルギーが起こるということになってきた。第一子がアレルギーになる確率がものすごい高い。二子、三子はあんまりならない。早くから、保育園は幼稚園に預けた子どものほうがアレルギーにならないんですよ。それから、家で犬や猫を飼っている家はアレルギーにならない。

世界中で一番アレルギーになっていないのは、動物を買っている農家ですね。牛とか馬とか酪農家です。酪農家はアレルギーにならない。それは、はっきりしたデータがあります。世界どこでも共通しています。動物と付き合っている人は、いろんな菌が入ってきてアレルギーを抑えるということです。


腸内細菌は3歳までで決まる


多根
小さい時じゃないといけないんですか。幼児の時というか。

藤田:私たちの腸内細菌は生まれて3年で決まっちゃうんです。

多根
3歳未満でやらないとダメなんですね。

藤田
ダメじゃないですよ。会長の腸内細菌も私の腸内細菌も決まっているんです。決まっているけど会長が自分の腸内細菌のエサを多く取ると量が多くなる。私もそうです。でも、会長と私の腸内細菌は違うんですよ。だからヤクルトさんの乳酸菌が良いといっても、会長にとっては良いかもしれないけど私に良いとは限らない。同じ乳酸菌を飲んでも定着する人とそうでない人がいる。自分の乳酸菌族を増やすという意思で出すんですよ。

私の乳酸菌は、お袋が京都の人ですから京漬物の乳酸菌と、韓国の女中さんなのでキムチの乳酸菌なんです。3歳までにどういう菌が入っているか決まる。女中さんは吐く息からいっぱい乳酸菌を出していました。これはキムチの乳酸菌です。オヤジは、私が3歳までは全然近寄ってくれませんでしたから、オヤジの乳酸菌は入っていません。双子でも誰が育てたかで腸内細菌は変わってきます。

多根
じゃあ、いろんな人に触られる大家族のほうがいいわけですね。

藤田
そうです。だから、「いろんな菌とつきあいましょう」ということです。3歳までで菌が足りなかったら、認知症になったり、発達障害になったり、自閉症になったり、アレルギーになったりするということが、最近言われるようになってきたんですね。でも3歳までで決まるけど、自分に良い菌があればその菌を増やせば良いんです。

多根
そのためには、食物繊維を摂れば良いということですね。それと、精神的な部分も大事ですね。

藤田
よく勉強されていますね。30%が精神的な部分です。

多根
ストレスを感じない生活をすれば、いいわけですね。私も少し前までは、清潔にしなきゃいけないということが頭にあったんですが、ここ最近、全部間違っているんじゃないかと思うようになってきたんです。

藤田
ありがとうございます。


健康診断を受けない人が長生き


多根
私は、父親と母親をガンで亡くしたんですが、ガンに対する処置の仕方も今のやり方が確立しているように言われていますが、おかしいなと思うようになってきて。というのが、医者に「なぜガンになるのか」と聞くと、「若い時はガン細胞ができるけど、免疫性が高いから是正する力が働く。

しかし、歳を取ると免疫性が落ちるので癌を是正できない」とおっしゃる。だったら処方箋としては、免疫性を高めるのが理屈なのに、手術して、抗がん剤飲んで、放射線というと免疫性を下げているんじゃないかと。これは、子どもでも分かる三段論法ですが、なんでこんなことをしているのかと。実際両親も母親は手術をして、父親は抗がん剤治療をしましたが、何か間違っていたかもしれないのじゃないかと直感的に感じています。決して良くなったわけでもない。

結果的に亡くなりましたが、これをしたからといって、寿命が延びたかどうかはわからないですし、ただでさえ、年をとって体が弱っている時に、手術や抗がん剤治療で、すごい体の機能が落ちますよね。結果的に生活ができなくなるし、体温が下がるし、不健康になるし、機嫌も悪くなるし、嫌な思いもするようになるし、すごく間違っているんじゃないかと思うようになってきています。

藤田
ありがとうございます。本当に方向性の違う医療が多くて。今、寿命が延びているでしょ。100歳以上の人が増えてきたんですが、免疫力を高める生活をしている人はガンにもならないし、いい生活ができるんですよ。それから、ガンになっても年を取ってガンになったら、抗がん剤や手術なんてしないほうがいいのかもしれません。

多根
そう思います。

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エベレスト世界最高齢登頂者 三浦雄一郎さん(左)
世界最高齢オペラ歌手 広島大学学長 原田康夫さん(右)
藤田紘一郎先生(中)

藤田
長寿社会になってきて気づいてきた。この写真なんですが、左が三浦雄一郎さんで右が原田先生。この三人で年に三回から4回講演会をやっているんですが、原田先生は広島大学の学長をやられた方なんです。医学会ではあんまり有名な方ではないのですが、世界一長寿のオペラ歌手。リゴレットという有名なオペラをマイクなしで1時間半歌い続ける。ものすごい大きな声が出るんです。

三浦さんは80歳ではじめてエベレストを登った方です。私たちがやっているのは、ガンだった人や医者から見捨てられた人たちを集めて講演をしています。末期の人たちも気持ちの問題で、とっても元気です。私も今からガンになっても何もしないと決めていますよ。やっちゃいけないんですよ。年取って、免疫力を下げるようなことをしてはいけない。

多根
そう思いました。変な話ですが、私個人としては、健康診断も受けないと決めています。受けちゃうと多分病気が見つかって、そうするとどうしても治療が始まって、どんどんストップがきかなくなるのかなと思います。不安になるから、なんとかしてくださいということで、どんどんエスカレートしてしまう気がしていて。

藤田
会長まだ若いのにそんなことおっしゃって。

多根
いえ、もう60歳なので。


それでも、社員としては会長に健康診断は受けて欲しいと思っているのですが。どうなんでしょうか。

藤田
私は、健康診断は受けないです。ケースにもよりますが健康診断を受けない人の方が長生きしているんです。受けた人が早く亡くなっていたり、介護施設に入っている人のほうが早く亡くなっています。何にもなくて病気と闘っている人の方が、長生きしています。

多根
最近は、週末は山で農作業をしています。山なので、かなり過酷なんです。だけど良い意味で先生の本を読んで、腸内細菌のことを意識しはじめてから、体が楽になりました。以前は、山で作業すると結構きついので、週明けになるとグタッときていたんですが、最近体の調子が良くなった気がしています。

藤田
そうですか。40代だと思いました。お世辞じゃなくて。

多根
先生も、お若いですよ。

藤田
私は色々無理ばかりしましたから、長寿のことを言っている割には、あんまり元気じゃないんですけどね。

多根
そうですか。でもすごくお元気そうに見えます。


先生の実年齢を聞くとびっくりします。

多根
父親が86歳まで現役でやっていたものですから、自分はすごく若いと思っていたんですよ。父親が亡くなって、60歳だと気がついて、世間的には結構歳を取っていたことに気づきました。

藤田
定年ですよね。でも、会長は髪も黒々として。

多根
お陰様で。でも、同級生も会うとみんな「次どうするか」という話をしています。

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 年齢58歳-肌年齢66歳(左)    年齢80歳-肌年齢64歳(右)


藤田
私もね、58歳のときが左の写真、髪も黒かったんですが肌年齢が66歳だったんです。健康のことを言いながら、歳取って見えるし、なんとかしなくちゃいけないということで、腸内環境をよくすることをしたんですよ。そしたら、80歳になって・・・。

多根
髪の毛が増えたんじゃないですか。

藤田
白くなりましたが、髪も増えて肌年齢が64歳になったんです。20年で2歳若返った。これね。写真で肌年齢が分かるようになっていて。だから、努力すれば見た目も若くなるということです。125歳までは、元気で生きられるということ。ティーペックという会社の医療団のトップが日野原先生だったんです。105歳まで生きられました。日野原先生は腸にいいことばかりやっておられた。

日野原先生の調子が悪くなったのは、転んで骨折してからなんです。車椅子に乗るようになったら、食欲がなくなって、栄養状態が悪くなって、主治医が点滴しましょうと言ったんですが、日野原先生が断ったんです。それから、呼吸も弱くなったので、人工呼吸器をつけましょうと言ったが断った。私は、自然のまま生きるとおっしゃって、車椅子に乗って3ヶ月ぐらいで亡くなりました。そういう生活を日本人はやらなくちゃいけないと思いますよ。

多根
父親の最後も立派な病院でお世話になったのですが、完全看護でいっぱい管をつけられて。そうすると、最後は、いい意味では痩せて見えなかったけど、触るとブヨブヨというか。体重もそこそこありましたが、ほとんどが水分という状態でした。多分、本人も苦しかったと思います。むくんだ感じでした。むしろ本来は何もしないで、食べなくなったら枯らしていったほうが、痛くも辛くもなかったのではないかと思いますね。

藤田
でもやっぱり、有名な方なので、医者もなんとか生かそうとするんですよね。善意で。だけど、本人にとっては、つらいですよね。多分。いろいろな人に聞いても。私自身は、日野原先生と一緒に仕事をさせてもらったから、先生の生き方を守ろうと思っています。だから検査はしない。ガンだったら何もしないと決めています。免疫力を高めて、なるべく自分の生命は大事にするけれど、人工的に栄養剤をうったりはしないでおこうと思っています。

多根
特に、ガンが見つかって亡くなるまでの期間はとても貴重な時間じゃないですか。この時間を闘病生活に使うのではなく、今までお世話になった人や喧嘩別れしていた人と会うなど、いろんな生きている間にしかできないことを感謝しながら気持ちを整える、仲直りするための努力をするとかね、そういうことをやっていると良い老後を送れるし、もしかしたら長生きするかもしれないし。なんかそういうことなのかなあと。二人見送って思いました。

藤田
良かった。同じ考えですね。

多根
本当に。


なので、ぜひ先生に取材をさせていただきたいと思い、このような時期に取材をお願いした次第です。

多根
先生がよくおっしゃる解糖系とミトコンドリアの話は社内でよくします。

藤田
私自身は、全部失敗しています。以前は、ラーメン、炒飯が大好きで糖尿病になりまして、大学の専門医に診てもらった。そしたらカロリー制限をしろと。だから好きなラーメン、炒飯は食べても良いと言うんですけど、カロリー制限をしても全然糖尿病がなおらなかったんです。で、色々勉強しはじめて50歳以上になると糖はあまり摂らない方が良いと分かってやめたんですよ。あっという間に血糖値も下がりましたよ。


腸内細菌でダイエット


多根
健康でバランスの良いダイエットの方法を教えていただきたい。

藤田
それは、酢キャベツですよ。酢キャベツは「世界一受けたい授業」で、1品だけで2週間で痩せさせてくださいというオーダーがきた。二週間で酢キャベツだけで痩せさせるのは無理だから、糖質制限を入れさせてくれと言ったら、スポンサーの関係で糖質制限はダメだと言われた。

多根
テレビは難しいですね。

藤田
それで、一品だけでということになった。キャベツが良いというのは、広島大学の原田先生が2年前ぐらいに太ってきて、声が出にくくなってきたので、何か良い方法はないかということで、食事の前にキャベツを千切りにして食べるようになったら、あっという間に体重が10㎏減って、歌が歌えるようになった。それでキャベツが良いだろうと思ったんです。

なぜ、キャベツが良いかというとキャベツは活性酸素を抑えて免疫力を高める野菜のトップなんです。めちゃくちゃイイでしょ。

多根
繊維質もあるし。

藤田
そうです。それでキャベツにしたんですけど。デザイナーズフーズ・ピラミッドで一番がにんにく、二番がキャベツ、三番が甘草で、みんな植物なんですよね。植物は善玉菌の餌になりますから免疫が上がるんです。なぜ、キャベツが上の方にあるかというと活性酸素を抑える力があるから。キャベツを使って痩せたんですけど、二週間で一品だけで痩せたんです。

それが、なでしこジャパンの丸山香里奈さんと、あと4人のおデブキャラのお笑いタレントを2週間で変えるということで。キャベツに酢につけた酢キャベツで痩せさせるということになりました。
酢というのは、短鎖脂肪酸といいまして、善玉腸内細菌が食物繊維を食べて腸粘膜を修復するんです。短鎖脂肪酸とは、酢酸とかプロピオン酸とか酪酸なんですね。そうすると腸の状態が非常に良くなって、ヤセ菌が大好きなので、痩せてくるし糖尿病が改善するし、腸粘膜が綺麗になるし万能薬みたいなものなんです。それで、酢キャベツにしたんです。


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多根
酢の種類は何でもいいのですか。

藤田
何でも良いんです。二週間続けてもらった。あとは、飲んでも食べても何をしても良いんです。みんな下がっていました。

多根
食事の前に酢キャベツを食べたらいいということですね。

藤田
そうです。二週間で体重が2.5㎏減ってウエスト8㎝。ヤセ菌が増えた。

多根
ウエスト8㎝はすごいですね。


私はまだ3日ですが、効果は出ていないようです。

藤田
大丈夫です。2週間、毎日続けてください。効果は出ます。みんなが下がったので、本当に結果が出たのでビックリしましたから。

2週間で腸内環境は変わるんです。1品だけで。だからちゃんと努力すれば、良い菌が増えて、良い菌が増えると太らないし、ガンにもならないし、良い事をしているんです。だから、免疫を高めるということは、ものすごく大事と言っているのです。コロナでも免疫で決まっちゃうんですけどね。


コロナ対策に免疫力


多根
この時期なので、そのことをしっかりお伺いしたいと思っていました。社内でも議論をしているのですが、テレビを見ていると、とにかく「うつったら死ぬ」みたいなように報道されている。確かに怖い菌だと思うのですが、ちょっと過剰に騒ぎすぎではないかと思っています。心配することが免疫性を落とすのではないか。用心しないといけないけど、インフルエンザと同じような感覚でよいのではないか。インフルエンザは怖いですから。

私もこの前インフルエンザにかかりましたが、歳を取ると結構キツかったですね。用心しないといけないのですが、かと言ってそれ以上に用心する必要もないのではないかと思っています。

藤田
仰る通りです。最初から免疫力を上げることは大事だと言っていますが、マスコミはあまり取り上げないですね。本に書いてくださいという依頼は沢山きますけどね。


免疫性を高めることは、もちろんなのですが、この新型コロナウイルスは除菌したほうがよいということはありませんか。

藤田
手洗いは必要です。だけど、ゴシゴシ洗ってはいけない。


そうなんですね。手が乾燥して傷ついてしまっては何にもならないということで。アルコール消毒をしすぎると手がカサカサしてしまうのは、良くないということですね。

藤田
そうです。手がカサカサになるのは良くないですね。あと普通に生活をしていて、コロナにかかっても全く症状が出ない人がいる。感染しない人と感染しても症状が出ない人と軽く済む人と重くなる人と、みんなこれは免疫力の差だと思います。でもさっき来ていたお客様ですが、「おれは免疫が強いけどかかった」と言っていましたけど、それは無茶していたとか、たまたま疲れてたりしていたということもあると思います。

今度のコロナで、SARSやMARSもコロナなんですが、かかったら症状がでていましたが、今回は出ない。感染経路がわからないという。一度治ってもまた勢いを増してウイルスが検出される。免疫で全く症状が出ないのと、軽いのと、重いのと分かれるのが良いようでちょっと厄介ですね。


かかったのがわからなくて、免疫力の弱い人にうつしてしまうことがあるということが恐ろしいということですね。

藤田
そうです。免疫力は二つあって、自然の免疫力というのはコロナでもインフルエンザでもバイキンがきたら、みんなやっつける免疫があるんですね。それと獲得免疫がある。それを区別しないといけない。獲得免疫というのは、コロナウイルスに対する免疫だから、これは特別なやつなんですが、これは長いことかかる。2週間ぐらいはかかる。

多根
いわゆる抗体のことですか。

藤田
そうです。免疫は抗体だけじゃないんですよ。NK細胞なんてやつは笑ったりするとワッと増えて、いい人とあったらワッと増える。ものすごく増えたり減ったりするんですよ。これも免疫なんですよ。それと混合しちゃうんですね。

コロナに対する免疫というものはありまして、それは非常にがっちりした効果のあるものがあるんですが、先鋭隊のほうがコロナの場合は大事なんです。だから、笑ったり楽しくしたりすることも30%です。あとは腸内細菌が70%握っていますから腸内細菌を元気にさせて、気持ちを前向きでやるということですね。


すべてにおいて、免疫力を高めることで改善されていくということですね。付き合っていくには、良いことをずっと続けていかなければいけないということですね。

藤田
続けることが大事です。

多根
先生とほぼ考え方が同じなんですが、一つだけ疑問に思っていることがあって、昔、スペイン風邪が流行りましたよね。日本の人口が4500万人ぐらいのときに40万人ぐらいが亡くなった。多分その当時だから、みんなサナダ虫もいて腸内細菌もいたのかなと思います。それでもそれだけの人がなくなったということは、それはそれとして別次元の抗体の問題なのでしょうか。

藤田
病原菌の毒素が強い場合は、すぐには対応できないです。

多根
むしろ考え方としては、人類は1%の犠牲者を使って抗体を獲得したと。99%の人類は生き残ったと解釈したほうがいいのかなと。

藤田
今回も、そろそろ終息すると思いますが、抗体を持った人が、2週間で抗体が出来始めますから、抗体を持った人が非常に多くなれば自然に終息します。

多根
それはどのくらいの期間なんでしょうか。

藤田
それは、感染した数と感染力によって違ってきますね。

多根
なるほど。逆にそれを考えるとあんまり自粛させずに普通にやっているほうが、早く集団免疫ができるということですね。

藤田
ただ、コロナは持病を持っているお年寄りに対して怖いんですよ。他のことは、若い人は大丈夫なんですが。それがあるもんだからね、やりにくいんです。それから、さっき言いましたが、無症状の人でも病原菌を持っている可能性があるんです。

SARSやMARSなんかは急に発症するので、すぐわかる。かかった人は必ず症状が出るし、だから感染経路もわかっているから、対策が取りやすい。コロナは誰が持っているかわからない。


昨日、会長が「お年寄りを隔離して、若い人はどんどん経済活動を始めたほうが良いんだ」というものですから、私は「そんなことはない。明日、先生に聞きましょう」と議論をしたんです。

藤田
会長がおっしゃったんですか。当たっています。

多根:今回のことを後で振り返ってみて、やり方が正しかったかどうかとか検証が必要な気がしていています。

藤田
これだけ、経済活動をめちゃくちゃにしてしまって良いんですかね。

多根
ガンの治療とよく似ていると思っています。要するに体を壊してでもガンをやっつけるということで、結果、生きながらえれば、寿命があれば体はガタガタで体調が悪くても仕方ないという考え方なんですけど。

ちょっとこれは極論かもしれませんが、今の医学っていうのは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から発祥しているので、彼らは一神教でかつ砂漠の宗教なので、自然というのは人間にとってそんなに恩恵をもたらすものではなくて、人間がコントロールしなくてはいけないということが前提にある哲学ではないかと思っています。そこで出来た医学というのは、基本的に自然は全部間違う。人間が全部コントロールしてやっつけなきゃいけない。

人体もその一部ですから、人体が間違うと解釈していて、人間がコントロールしなきゃいけない。でも本来は、我々多神教というか日本人の考え方からすると、人間も自然の一部なんだから、そこで折り合いをつけながら感謝してお陰様という気持ちでやっていかないと良くないんじゃないかと。これからのコロナ以降の時代は、こういう価値観に気づくと思います。インドも多神教ですし、多神教の国が経済的にもウエイトが占めてくると世の中の価値観も変わってくるし、医学の考え方も変わってくるかもしれない。そういう意味では、むしろ期待はしているんですけど。

藤田
賛成です。なかなか言いにくいところがあるんですがね。

多根
そうなんです。言いにくいところがあるんです。今回もフランスのマクロン大統領が「戦争だ」といっています。一見、頼もしいのですが、戦争じゃなくて、折り合いをつけるところが大事だと思っていて。

ウイルスは生き物なので、人工的という話もありますがそれは置いておいて、ウイルスも地球が生まれた時からずっと生きているわけですから、人間が都合の悪いものだけ排除して人間だけ生き残るというのは、ちょっとエゴのような気がします。やっぱりどこかでしっぺ返しがきますし、お互い様というところがないと。今一番怖いのは人間同士が拒絶しているんですよね。「もう、来るな」と。できるだけ距離をあけろと。それはおかしいんじゃないかと思っています。

みんな協力してとか。人類が発達したのは、みんなで一緒に協力し合って、何かができるというのが人類の一番のメリットなのに。いまは、「離れろ」とか。「来るな」とか。「何で来るんだ」とか。

藤田
こういう会長がおられるというのは、珍しいですね。

多根
本当におかしいなと思っています。

藤田
私もこっそり抵抗しているんです。マスクはしないし。

多根
マスクは、最初は自分でもよくわかっていなかったのですが、多分自分の鼻とか口を触らなくて良いというぐらいのものかなと思っています。

藤田
そうですね。

多根
あまり、効果はないのかと思っています。でも、日本の数字をみると明らかに悪くないですよね。他のヨーロッパの国に比べると。ヨーロッパの人たちは最初、マスクを馬鹿にしていたのに。こんなに穴が大きいからウイルス通すし、やる意味がないと馬鹿にされていたんですよ。

私は、「そんなことないだろう」と抵抗していたんですけど、今、フランスでもマスクし始めました。それは、鼻とか口を触らなくていいからかなと思っていますが、それが結構大きいことでしたね。いろいろなことを考えさせられる時代だと思って、歴史に残る事件でしょう。

藤田
今日は思いもよらず、私が言えないことを会長が言ってくださって。

多根
私も社内ではなかなか言えないんですけど。


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多根
先生はお水もやっておられるんですか。

藤田
水も30年から40年ほどやっています。

シリカって書いてあります。

藤田
シリカっていうのは、髪の毛も増やしますし、肌も良くします。

多根
そういう成分なんですか。シリカっていうのは。

藤田
ケイ素なんです。ケイ素は肌も良くしますし、髪の毛も増やすのでケイ素が入っている水が良い。実は、インドネシアのカリマンタン島の研究から始まったんです。世界の水を全部調べて、90何ヵ国、発展途上国にも行きました。

多根
それは、腸内細菌に効果があるのですか。

藤田
初めは、そっちをやっていたのですが、肌にいい、女性にもいいということで、調べたら北海道の利尻島の水にケイ素がいっぱい出たんです。普通の水と同じぐらいの値段で出していたんです。運賃がかかるので、誰も手を出さなかった。

日本のお金持ちを探したら、川崎市で廃品業を営んでいる方がお金を出してくれた。リシリエという名前でつくった。これを飲んでいたら、若い人の肌が良くなって、男性も髪の毛が増えた。非常に売れたんです。ところが、東日本大震災で出なくなってしまった。水は出ているんですが、ケイ素がでなくなってしまった。今は、ケイ素が一番多いという成分表示をせずに販売していますが、私は手を引いた。

それで、またケイ素の多い水を探したのが、これ。ドクターウォーターという名前をつけました。熊本県の小林というところで掘ってみたらケイ素が物凄く多く出た。これを世に出そうと思ってお金持ちを探して、鹿児島でくるくる寿司の特許を持っている人がいて、その人にお金を出してもらって商品化しました。商品化した途端に熊本の大地震で、慌てて測定しましたが、ケイ素の量は変わっていなかった。

これは、中近東にも中国にもいっぱい輸出するようになった。これを私も宣伝しています。これを使って、私は自分の髪の毛が増えるとか、肌が若返るとかやって、本もいっぱい書いています。

多根
今、水道水に塩素が入っているじゃないですか。塩素は、基本殺菌効果がありますよね。当然、腸内細菌にもあまり良い影響を与えないですよね。あとは、鶏肉は抗生物質が入っていますし、保存料が入っていて、全部腸内細菌にはネガティブなものばっかりですよね。

藤田
塩素は特にトリハロメタンという発がん物質に変わってしまいます。日本の水道水は発がん物質になりうるものが入っているんです。腸内細菌を減らす殺菌剤も入っているけど。それで、自然の水にしましょうということで、自然の水を探して歩いていたんです。

多根
これは、それぞれ違うものですか(棚においてあるボトルを見て)

藤田
違いますね。これは、三重県の松坂の上の方にある水。これは、カルシウムとマグネシウムが多くて、糖尿病に良い。

多根
それぞれ、役割が違うんですね。

藤田
富士山の麓から出る水は、バナジウムが多い。これも糖尿病に良い。世界各地の水をとってきました。結構私、足で稼いでいます。今は、水と腸内細菌のことをやっています。

多根
伊豆の山で、南斜面で水源がなかったので井戸を掘りました。あそこは、火山が爆発して、10mぐらいのところに火山岩があって、溶岩が流れている層があって、それをさらにぶち抜いて、下の水をとりました。まだ、成分を調べていないのですが、そういう安全な水が貴重かなと思います。世界でも少ないですよね。結構美味しいです。

藤田
いい水かもしれませんね。私は水と腸内細菌ばっかり、追いかけているもんですから、いっぱい本を書きました。

こんなことをやっている人がいないものですから、いっぱい書いてくれと依頼が来るんです。学者らしくなくて、世界各地の編地に行って水をとってきて、ウンチを運んで。だからウンチと水をいつも持ってくるんです。

多根
ここでやられているんですか。研究所はまた別の場所ですか。

藤田
昨年の12月31日まで御徒町に研究所があったんです。御徒町はティーペックという会社が隣にあって、そこの産業医をやっていました。いまでもやってるんですけどね。そこにあったんですが、広い研究室なのでお金がかかるんです。ちょうど今年から、こっちに変わってきました。ここは女房の研究室なんです。こちらは、音楽をやっています。貴乃花の先生です。昭和天皇の前でも演奏したんですよ。

多根
音楽もいいですよね。

藤田
日野原先生も音楽療法をされていて、彼女もピアノと歌をやっていたものですから、別室に音楽療法室を作ったんですが、私には音楽療法は合わないですね。一時は生徒さんが300名ぐらいいましたが、商売にはなっていなくて。


聞く音楽療法ではなく、自分が演奏をする音楽療法なのですか。

藤田
そうです。

多根
千葉の大里総合管理さんという不動産管理会社さんが、いろいろなコミュニティ活動をされていて、その一つに昔の歌声喫茶のようなイベントをされていた。昔学校で歌った曲を大声出してみんなで歌った。あれは本当に精神的に良かったと思います。


山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)


多根
最後にこのような世の中なので、読者のみなさんにメッセージをお願いいたします。

藤田
私たちは、私たちだけでは生きられないんです。腸内細菌がいないと生きられないんです。いろいろな菌と付き合うことによって、元気をもらっているんです。たまには、コロナのように悪いことをするのもいるけども、生き物はみんな仲間。共生だと言っています。こういう時代だから大事だと思います。みんな、生きているものは意味がある。山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)。みんな生きているものは意味が有るということを基本的に我々持たないといけない。それから、必ず生きたものは死んでしまいますからね。死は、自然の中で受け入れて、あまり人工的なことはしないほうがいいんじゃないでしょうか。医学部で、こんなことを言ったら怒られてしまいますが。

多根
素晴らしいお言葉です。本日は、ありがとうございました。
この季刊誌の発行日が、7月1日です。多分、まだゴタゴタやっている時期だと思います。私は、読者のみなさんも心の感染を心配しております。

藤田
今日、びっくりしたのが、私より会長が突っ込んだ意見をおっしゃとことです。もっともだと思いますし、そういう考えを持っている人が少ない。でも会長のような方がいるということがわかって、今日は本当に良かったです。


(了)
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■藤田 紘一郎(ふじた こういちろう)

略 歴
1965年 東京医科歯科大学医学部卒業
1966年 同大学医学部付属病院で実地修練修了、同年医師国家試験合格
1970年 東京大学大学院医学系研究科を修了し「コトンラットフィラリア症における抗体産生」で医学博士、東京大学医学部助手(寄生虫学)
1971年 テキサス大学研究員(微生物学)
1972年 順天堂大学医学部助教授(衛生学)
1977年 金沢医科大学教授(医動物学)
1981年 長崎大学医学部教授(医動物学)
1987年 東京医科歯科大学医学部教授(医動物学、国際環境寄生虫病学)
2005年 定年退官、名誉教授、人間総合科学大学教授(免疫・アレルギー学)

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