先ず「NO」から始める人

中国


先ず「NO」から始める人


コロナウイルスのもたらす被害が、想定以上に大きくなった2月、店長や幹部と話しあう機会を作った。話すほどに重苦しい空気になる中、ある女性社員が呟いたのは、

「例えば、日本は、これまで地震や原発、台風、数多く災害を経験してきた。でもどんな辛い状況にあっても立ち止まらない。私たちにとっては、これほどの試練は初めてのこと。試されているのは私たち自身、ここは耐えて、みんな前を向こう。」

その発言を境に今できることを話し合う場になった。

私は、危機に際して、いきなり声高にリーダーシップを取ろうとする人の言葉を信じないし、独りよがりな躊躇なき決断も嫌いである。この発言は、とても自然で、誰もが共感し納得するものであった。

一緒に仕事をして30年、私が何を言っても「そうですね」とは決して言わない、先ず「NO」から返してくる人。でも、どんな小さな仕事も決して疎かにしない、そんな彼女に私は全幅の信頼を寄せている。


(パリミキ 中国  棚田 真文)