自分で実際行ってみたら


自分で実際行ってみたら



急速に進化した高速鉄道

 先日、久しぶりに新幹線に乗るために上海西駅に行った。全国に向けての、新幹線(中国では高速鉄道と呼称)網の起点終点になっているこの駅で切符を求め、新型車両に乗り込む。翌日からは切符の購入から改札までスマホ一つで、できるようになると告知されている。走り始めると以前と全然違うことが分かる。謳い文句の通り、確かに静かだし、揺れない、しかも速い。

 日本では相も変わらず「十年一日」日本の真似をしたのどうのこうのといわれている中国の高速鉄道網は、後2年もすれば総延長距離3万キロ。いつの間にか日本の10倍にまで伸びている。中国の1年の変化の速度や大きさが、どれほど凄まじいものか改めて確認することになった。


等身大の日本人

 人々も頻繁に海外に出向くようになった。上海の事務所の人たちが、この2年間に行った国々を挙げるなら、北欧6ヵ国、イギリス、ドイツ、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、チェコ、エジプト、ウクライナ、スリランカ、ロシア、そして日本。ラスベガスでパラシュート降下やバンジージャンプにトライした50代の女性もいる。前からしてみたかった、と事もなげに言う。したいことは我慢しない。

 私としては、やはり日本は気になり、行った人に土産話をしてもらう。まず、物価の安さと食事の美味しさに驚く人が多い。そして必ず出る話は、タクシー運転手に象徴されるように、働いている人に高齢者が多いことだ。以前なら「日本人は働くのが好きですね」で終わっていたが、今は違う。働く背景から年金やら高齢化問題やらに中国の将来を重ねて議論が続く。持っている情報量が増えて、昔のように日本人は金持ちとか清潔とか簡単な一言で表す人は減った。ネットに溢れる日本の話も個人の視点が入って、人やモノを等身大で視ていることが分かる。何も臆することなくスマホ一つを頼りに海外に出る人たちにとって日本もあまたある外国の一つ。私が思うほどに意識されていない。


自分の目と言葉で

 日本のテレビは、相も変わらずニッポンスゴイ!で盛り上げているが、まるで、中国の昔のテレビ番組を見ているようだ。誰かの何らかの意図のもと小さく切り取られた画像や文章に自分の頭を預けてしまう人もいるが、今は、自分で見たもの、触れたものを自分の言葉で他人に伝えられる時代だ。そういうことが自然にできる人に、日本の良いところ、駄目なところ、そのまま他人に伝えて欲しい。それに触れた人もまた行って確かめてみる。そのような繰り返しが、無用の諍いや、誤解を減らすのだと思う。「自分で実際に行って見てみたら!」私はいつもテレビにツッコミを入れている。


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パリミキ 中国  棚田 真文