文化の響きあい

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日本文化を鑑賞するフランスの人々


文化の響きあい


  パリミキ フランス  高橋 華惠



日本文化を鑑賞

 パリでは日仏友好160周年を記念して、今世紀最大とも言われる日本文化博「ジャポニスム2018:響きあう魂」が開催されました。このタイトルの意味の一つは「日本とフランスの感性の共鳴」でした。

 皇居の三の丸尚蔵館から出品された伊藤若冲のヨーロッパ初の大規模展示「若冲-<動植綵絵>を中心に」展の会場は、セーヌ川にほど近い、それはそれは美しいプティ・パレ美術館でした。大勢のフランス人に混ざり、長い行列に並びましたが、1900年に建造されたイオニア式列柱に彫刻が施されたファサード(建築物の正面)を眺めながら、少し先にはアールヌーボーの華麗な装飾が輝くアレクサンドル3世橋が見え、待つのが苦になるどころか、逆に贅沢な時間を過ごしました。

 展示室に入ると、普段は静かに美術鑑賞をするフランス人ですが、あちらこちらから感嘆、驚嘆の声や作品の素晴らしさを讃える声が聞こえてきました。しまいには学芸員の方が「皆さま、お静かに!」と注意をするほどでしたが、フランス人のご婦人は「こんな素晴らしい作品を目の前にしたら、自然と声が出てしまうのよ」と苦笑していました。

 会場を後にする時には別の御夫妻から「こんなに素晴らしい日本の宝を私たちに見せてくれるために、フランスまで持ってきてくれてありがとうね」と私を日本人と見るや、声をかけていただきました。もちろん私が一般観覧者だと分かってのことですが、居ても立ってもいられなかったようです。


パリでの練り歩き

 パリ市民の憩いの場であるアクリマタッション公園で開催された「地方の魅力―祭りと文化」では、7つの伝統的なお祭りがパレード式に紹介され、私もボランティアとして友人たちと奈良県の春日大社の「春日若宮おん祭」に参加しました。奈良から運ばれた伝統衣装を本物の巫女さんや雅楽奏者の方に着付けしていただき、1時間半にわたっておごそかな練り歩きを体験しました。

 沿道には大勢の見物人が集まり、猿楽や田楽が披露された舞台に見入っていました。他には岩手県の盛岡さんさ踊り、高知県のよさこい、徳島県の阿波踊り、フランス人男性が武田信玄に扮した山梨県の信玄公祭など、日本各地のお祭りが1日で観覧できる素晴らしい機会でした。

 芸術、文化などフランス人の日本への興味は尽きることがありません。フランスと日本の文化交流はさらなる広がりを見せ、日本とフランスの文化、さらに、フランス人と日本人が混じり合うことで、美しさや豊かさが一層深まりを増しています。  

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奈良春日大社の春日若宮おん祭のパレードに参加した筆者