新たな「ジャポニスム」

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パリ市庁舎前で開催されたイベント「FUROSHIKI PARIS」


新たな「ジャポニスム」


  パリミキ フランス  長谷川 泰三



日仏友好160年と「ジャポニスム2018」

 2018年10月9日、日本とフランスは1858年の日仏修好通商条約調印から160周年を迎えました。この日仏友好160年を記念して、フランスではパリを中心に、海外最大規模の日本文化芸術イベント「ジャポニスム2018」が開催されました。

 もともとは、19世紀のフランスで浮世絵に代表されるような日本文化が広がり、画家モネや作曲家ドビュッシーなど、当時のアートに大きな影響を与えた「ジャポニスム」。長い時を経て現在のフランスでは、歌舞伎、相撲、寿司など、いわゆる海外の人々が抱く日本のイメージだけではない、世界にまだ知られていない日本文化が伝わり、新たな「ジャポニスム」が起こっているのを肌で感じています。

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風呂敷を持つ市庁舎壁面の偉人像

日本のアニメで育ったフランスの子どもたち

 そもそも、フランス社会で活躍している80年代生まれ以降の世代にとって、実は日本はかなり身近な存在。その理由は、彼らが子どもの頃に見ていた日本のアニメです。
 フランスでは1987年のテレビ民営化にともない、日本からアニメが大量に流入しました。フランス初の民営チャンネル「ラ・サンク(LaCinq)」や当時の伝説的ヒット番組「クラブ・ドロテ(ClubDrothee)」において「キャプテン翼」「北斗の拳」「セーラームーン」などが放映されました。子どもたちはアニメを通じて現代日本の生活や文化に触れ、笑ったり、泣いたりしながら育ったのです。特に「ニッキー・ラルソン( N i c k yLarson)」こと「シティーハンター」は、2018年2月にフランス版の実写映画が公開されるほどの人気ぶりです。


フランスの暮らしに浸透する日本

 そんな現代フランスの人々にとって、日本はすでに未知の異国ではなく、文化や習慣をマネしたい、毎日の暮らしに取り入れたい、と憧れる特別な国です。
 例えば「ジャポニスム2018」のイベントの一つとして、昨年11月にパリ市庁舎前で開催された「FUROSHIKI PARIS」。建築家・田根剛氏のアートディレクションのもと設置された大きな風呂敷包みのようなパビリオンの中で、「世界最古のエコバッグ」として紹介された日本の風呂敷文化に、老若男女問わず、たくさんの訪問者が興味を持っていました。

 また、2016年に続いて2回目となったパリ・リヨン駅での「駅弁」販売も大変盛況の様子でした。ヘルシーでおいしく、コンパクトで見た目も美しいと評判の「BENTO」は、いまやフランス語にもすっかり定着しています。
 グローバル化の是非が問われる昨今ですが、フランスと日本がそれぞれお互いの国のよきところを教え合い、刺激を受け合う姿は、一つの希望ではないでしょうか。今後も、両国の素晴らしい関係が、さらに次の世代へと続くことを願わずにはいられません。

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