フランス史上 最年少の大統領

低迷するマクロン大統領への支持率

 2回目投票の激闘の末に勝利を収めたマクロン大統領。選挙から3ヵ月が経った時点で行われた世論調査では、現役大統領に対する支持率が50%を切った結果となりました。
 アメリカの大統領選挙以来、メディアに対する不信感が漂い、フランスも例外ではありません。8月上旬に行われ発表された調査も、メディアと統計研究所により行われたものと区別され、その結果はまばらです。ハリス・インタラクティブ社による調査の結果、マクロン大統領に対する支持率は51%、フランス世論研究所による調査では同支持率54%となり、経済紙「レ・ゼコー」による調査では40%まで下がりました。新大統領に対し支持的であるはずの経済新聞の調査に50%以下という結果には驚きます。


若き大統領の指導者像

 主な理由としてピエール=ドヴィリエ統合参謀総長の辞任が大きく影響したと見られ、軍の予算を巡り指揮官と対立したためにマクロン大統領の指導力が揺らぐ可能性があります。ドヴィリエ将軍との会話の中で「軍のトップは私だ」など、主従関係を強調する発言が話題となりました。現に国会でも共和国前進党議員の経験不足による不手際が、ソーシャルネットワークで取り上げられました。また、若年層の生活を支える個別住宅支援費が引き下げられ、大統領本人から反対の声が聞かれました。
 しかし期待外れと断言するにはまだ早くないでしょうか。そもそも大統領選挙1回目投票の時点でのマクロン氏が寄せた投票数は、フランス全人口の15%以下でした。現在、フランス国会で政治信頼回復法律案が議論される中、いわゆる職業政治家に対する低い信用度の現れともいえます。就任から3ヵ月後の現在、若きマクロンの指導者としての素質が早々にわれましたが、大統領としての資格がなくなったとはいえません。


来る市民運動

 マクロン氏は経済政策が期待されフランス史上最年少の大統領となりました。経済政策の影響が支持率の低迷につながり、諸調査によると、公務員の給与指数の固定に伴い公務員の満足度が18%減少し、65歳以上の満足度は11%減少しました。自治体への予算が3億ユーロも削減したことで、都市と地方の経済格差が広まる恐れもあり、農村地域での右翼のルペン氏への投票数が多かったのはいうまでもありません。
 9月から、2016年デモの発端となった労働改革法が本格的に国会で議論されると同時に、再び大規模な市民運動が予想されます。EUへの信用回復など、国際情勢の中での活躍はもちろん、国内での統治能力がマクロン氏のこれからの課題となるでしょう。共和党と社会党が共倒れした今、与党と野党という言葉に、もはや意味はありませんが、抵抗戦力として、メランション氏率いる「屈服しないフランス」党の動きが注目されます。



パリミキ オペラ店 長谷川 泰三