トランプ・ショック ハワイ(2)

「サラダ・ボウル」州

 トランプ大統領就任はハワイでも少なからずショックを受けた人がいます。ハワイは最近の調査で、全米中人種差別が最も少ない州であることが分っています。ニューヨークと同じような人種のるつぼ(最近の言い方ではサラダ・ボウル)であるハワイでは、レーシズム的発言を繰り返したトランプ氏に不安を感じる人が多く見られます。元々ハワイでは保守派とされる共和党よりもリベラルとされる民主党の人気が高く今回の選挙でも他の「サラダ・ボウル」州と同様にクリントン氏が得票数で圧倒しました。

 アメリカ国籍以外の人々に一番懸念されているのはトランプ氏が掲げるアメリカ第一主義です。アメリカ人の雇用を優先するためにビザの取得が厳しくなるのではとみられています。観光業が州の主な収入源であるハワイにとって、様々な地域からの旅行者に対応するために、ビザ所有労働者は欠かせません。しかしビザ取得労働者の減少によって観光客の利便性が下がれば観光業に影響を与えるのではと考えられています。

ハワイの州民生

 また不法移民問題。オバマ元大統領は不法移民に対して寛容な姿勢を示していましたが、トランプ大統領は一転して強硬姿勢を示しています。日本人の不法滞在者はほとんどいませんが、メキシコなどを経由して入ってくる他の国籍の不法滞在者は多くおり、安い労働賃金で働いています。低賃金の労働者の減少はハワイのインフラをさらに進めるのではと恐れられています。

 トランプ氏が大統領選で勝利した時、また就任演説の時にハワイでもトランプ・タワー周辺を中心の大規模なデモが行われました。しかし他の州の必死な形相で訴えているデモと比べてハワイのデモ参加者はニコニコしている人が多く「イベント的な感覚で参加している人も多いのでは」とも感じました。このようなところでもハワイの州民性が感じられました。


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パリミキ ハワイ
歌川 達也