ロンドンのニューイヤー

スタッフから学ぶ

 憧れのロンドンに赴任して2年。昨年は、ヨーロッパと日本のそれぞれの良さを取り入れた店舗をオープンさせることができました。これもロンドン店のスタッフが、日本人である私に多くのことを教えてくれたおかげです。

 私の右腕の店長ミーノ・アベは、お父さんが日本人、お母さんがイタリア人です。お父さんは、若いころ大理石の彫刻家を目指し、札幌からイタリアへ留学し、彫刻の修復家であるお母さんと出会ったそうです。
 幼い頃からお父さんの意向で、毎年夏休みは日本で過ごしイタリア語、日本語、英語と3カ国語を使いこなします。通常、イタリアではクリスマスは家族と過ごしますが、昨年はロンドンにミーノのお母さんが来られ、私も手料理をご馳走になりました。


個性ある地域の料理

 一言でイタリア料理といっても地域によって作り方や味が違い、クリスマスの2日前になると、近所のお母さんたちが集まり一斉に料理を作り始めます。クリスマスにしか食べない料理もあり、コテキーノ豚のソーセージを食べたり、パネトーネというケーキを食べます。本当に何を食べても美味しかったです。
 余ったものは次の日の朝ごはん、昼ごはんと変わってきます。日本のようにクリスマスといえばチキンではなく、地域ごとに個性があり、その地域への尊敬や歴史を感じることができ、本当に素晴らしいと感じました。
 ミーノから聞いたのですが、いまでは多くの日本人が知っている「バーニャカウダー」はピエモンテの料理で、イタリア人でも知らない人が多いそうです。実は、ミーノのおばあさんが日本のテレビのコーディネーターに作り方を教えたそうで、日本人の私がバーニャカウダーを知っていたことに、彼はとても驚いていました。

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右:ミーノのお母さん


花火とヨーロッパ

 ヨーロッパではクリスマスは家族、年末年始は友達と過ごすことが多いようです。ロンドンは、毎年ビックベンで花火が上がるのですが、昨年から有料になりました。15ポンド(約3000円)もするのですが、それでもたくさんの人が見にきています。
 花火のイベントでは、映画「Vフォー・ヴェンデッタ」で登場する、11月5日の「ガイフォークスデイ」があります。諸説ありますが、議会転覆を企てたガイフォークスが火あぶりになった日らしいです。
 この1週間はロンドンのいたるところで花火が上がっています。イギリスでは一年中、花火を打ち上げることも販売することも、禁止されています。ただ、ガイフォークスデイは例外として認められていて、花火がお店に並ぶのも、この約1週間前だけです。夏に花火をしたくても、普通は手に入りません。
 ヨーロッパのお正月は、日本のようにお寺や神社に行くのではなく、花火がハッピーニューイヤーの重要なものになっていると感じています。


筆者:ロンドン法人支配人 西垣 勇太
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左:筆者 右:ミーノ