心を惹きつけるターリャン山


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昔植えた苗木はもう立派な大木になっている


心を惹きつけるターリャン山

 20年の年月が流れたターリャン山は鬱蒼たる森におおわれ、小川の水がさらさらと流れる素敵な場所ですが、以前はまったく違った姿だったそうです。
 1988年、61歳の陽善洲(ヤンサンチョウ)さんは定年退職してから、自分のふる里、施甸県ターリャン山に行きました。長い時間の盗採や踏み荒らしなどの行為によって、山は木と植物が減少し、絶滅の危機にあるものもありました。土壌の流出問題も日々に厳しくなっていました。地域住民は当時、苦労をしても十分な衣食が得られず、さらに水まで汚染されました。その時「何とかしなければ」という思いから、陽さんが立ち上がりました。住民にも呼びかけ、ターリャン山の自然や環境を守るために、「林場」をつくろうということになりました。
 陽さんは家族から離れ、有志者の先頭に立ち行動しました。仕事や住む場を兼ねた簡単な小屋を建て、植林計画の整備を始め、清掃活動や間伐など、すべて自分たちの手で行ってきました。今ではターリャン山は87%が森林に覆われる、大きな林場になっています。陽さんはみんなを率いて18㎞の林間道路と4㎞の配電線を建設し、田舎にも電気が通じるようにしました。
 2010年の春、雲南省は半年の干ばつに遭い、深刻な水不足になりました。しかし、施甸県住民たちの家には水が途絶えることはありませんでした。その水源地こそターリャン山林場だったのです。
 
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陽さんは大山の自然破壊が進んでいる状況を改善し、豊かな山に戻していこうと、さまざまな取り組みを行ってきました。そして20年の汗や努力の結果「ターリャン山を再生する」という約束が果たされ、子々孫々に豊かな自然を残したのです。
 陽さんがターリャン山林場から離れた今でも、彼が住んでいた小屋の前にある松の木は、枝ぶりもたくましく、まっすぐに立っています。



筆者:上海 簿暁燕(ボーシャオイェン)
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