パリで着付け教室

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フランス在住 レオッタ香奈

 女性の自立とは、ずばり自分の時間とお金を持つことである。人間に平等に与えられた物は時間のみ。億万長者にも平等に老いと死は訪れる。とにかく女性は忙しい。20代前半まで学業に費やし就職、キャリアを積もうと頑張り、気がつくと30代突入。仕事も面白くプライベートが充実するのもこの頃で、あっという間に40代。どの時点で結婚・出産・育児を入れるかが最大の焦点になってきます。
 こんな堅苦しい前文を書くとレオッタさん、さぞすばらしい人生設計なんでしょうと思われてしまいそうですが、人生、山有り谷有りは皆さんと同じ。

寿退社でフランスへ

 志高く入社した財閥系企業は、私が入社した当時、女性管理職はなく寿退社なるものが存在しました。花のバブル後半期、会社も楽しんで通勤し、宴会部長にはすぐ昇進できました。総務部女子の回転は速く、新人が入ればすぐお局様と呼ばれ25歳で結婚しました。こういう環境になければ結婚しなかったかも、と今思うとありがたいです。しかも相手はフランス人、若気のいたりとはこのこと。渡仏後自分の人生がリセットされました。大の大人が言葉も文化も分からないので赤子同然。語学学校に通うも目標がないので面白くなく、更に専業主婦には友だちもできない。ナイナイ尽くしの日々。

どうしたら面白く魅力的な女性になれるのか?

 この時期真剣に悩みました。そんな中、知り合いの駐在員の奥さまから頼まれ着物を着付けたのが今の始まり。その後、噂で広まり定期的に着付けの依頼が入り、それなら教室も始めようと少しずつ日本から着物や道具を取り寄せました。
 今はパソコンやサイトのお陰で楽になったものです。不思議なもので、忙しくしていると友人も増えます。育児・家事・仕事で残った時間が自分の時間なので、今は自分の大好きな人としか出かけません。傲慢かもしれませんが、お誘いを断れる自分を誇りに思います。
 我慢してノンが言えない自分からの脱皮が自立への一歩かもしれませんね。