長屋からマンションへ

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パリミキ・上海
薄暁燕(ボーシャオイェン)

 昔は、旧式の石庫門(上海市街地にもっともよく見られた長屋タイプの住宅の総称)から、いつも子供達の楽しげな声が聞こえてきたものです。台所からは料理をつくる音がして、のどかな雰囲気がありました。
 長屋の人達は、路地に出てこまごましたことを話したり、「あら、仕事ですか」とか、「お帰りなさい」とか、親しく声をかけあっていました。子供の面倒を見る人がいない時には、隣人に「子どもを預かってくれる?」とお願いをして、家族が急に病気になった時には、隣人に一緒に病院に行ってもらったり、外に干した布団を入れるのを忘れた時も、親切な隣人が取りこんでくれたりしました。
 長屋の路地にはいつも助け合いの精神と楽しさに溢れていました。

 こうした長屋は近年都市再開発で姿を消そうとしています。それに替わる高層ビルディグのマンションが多く建てられて、以前のように近所の人と触れ合う機会は少しずつなくなっています。
 特に、中国は夫婦共働きが殆どなので、よけいに近所の人と顔を合わせる機会は減っています。サラリーマンは、仕事が終わってもラインや、ツイッター等を利用して、他の人とコミュニケーションを図りますし、子供達も宿題も多くて、近所の子たちと一緒に遊ぶ時間が少なくなっています。休日も一人でネットに夢中になって虚構世界を楽しんでいます。

 それでも、マンションの庭では、学齢前の子供達は、集まってスケートボードをしたり、自転車に乗ったり、色々と遊んでいる光景は昔と変わりません。そのお母さん達は集まって、育児の経験とか、世間話などもしています。マンションの中には、コミュニティ活動室を作っているところもあって趣味が合う高齢者達は、集まって一緒にダンスをするとか、フィットネスをするとか、色々な事を一緒にしています。特に退職した高齢の方は、麻雀を楽しむ方が多いようです。

 よく言われているのは「遠くの親戚よりも近くの他人」。隣人同士、もっと挨拶や関心を持合うべきだと思うのです。「人にバラを送れば、手のひらには香りが残る」、そうじゃないでしょうか?