都市計画とコミュニティー開発へ向けてドイツが歩む道

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パリミキ・ドイツ
板谷 美夕

 一般的に大都市と定義される空間の中では機能が中心部に集中し市場が自律的に上昇する。が、故にそれに仕える人間はそこから追い出され疎外現象が起こり、本来人間が持っている共同性が失われてしまう。
 ここドイツでも都と田舎では生活の本質がうめき声を上げて変動。かつてあったコミュニティが様々な社会変化と共に崩壊しており孤独、無縁社会という方程式が都市生活の中に組み込まれている。
 この社会的に重要なテーマの解決の一貫としてドイツでは教会、地方自治体などから、プライバシーを大切にしながらも開放的で人々が触れ合い、人間と自然が共生し暮らせる「住」環境の建設計画「Wohnprojekt für Alt und Jung」が進められています。
 若い世代からシルバーの方々が一緒に暮らす集合住宅。その中にマルクト(広場)や共同で使用できる多目的スペースを設置、その「空間」を通して共存していこうという狙いです。19世紀半ば、産業革命に突入したドイツで教育の一貫として郊外に子供達の遊び場を設けました。その後小農園を試みるも次第に子供達の興味は薄れ雑草に埋もれた所、親たちが畑を耕したのが今日200年の歴史を持つKleingarten〔小さな庭〕と呼ばれるものになりました。(注:19世紀初頭の他説もありますが、ここではあえて小さな子供の庭とさせて頂く)
 これは現在ドイツをはじめヨーロッパ諸国で庭を持てない都市生活者を対象にした農地の賃金制度、それはコミュニティ形成の場として、また重要な緑地空間として都市計画の中に位置づけられ市民生活の向上や健康増進に大きな役割を補っています。
 孤独はいいものだという事を我々は認めざるを得ない、けれどもまた孤独はいいものだと話し合う事のできる相手を持つことはひとつの喜びであるとバルザック(1799-1850)が残した言葉のように、人と人との繋がいつの時代でもどの国においても大切であるという事なのでしょうか。